昔ながらの固いプリンが好きで、コンビニを徘徊して好みのプリンを探す日々。
最近オーブンの買い換えたのをきっかけに自分でも作るようになり、巷のいろいろなレシピを試しています。
プリンの黄金比率は重量比率で「乳:卵:砂糖=2:1:0.5」と言われていますが、求めているプリンとはちょっと違う。
自宅で気軽にできる固めプリンを目指して実験してみます。
Contents
レビューの参考として私の好みは、コク・甘さ控えめのあっさり系、穴が掘れそうな固いプリンが好みで、焼きプリンの表面が特に好きです。
プリンを固くする方法
まずは仕上がりや経済性などを無視して、プリンを固くする方法を調べて書き出してみます。
- 全卵を使う(卵白を増やす)
- 牛乳を減らす
- 砂糖を減らす
- 牛乳をエバミルクに置き換える
- 砂糖を抜いてコンデンスミルクを入れる
- アルミ型を使う ※
- 高温で加熱する ※
- 加熱時間を増やす ※
つまり、凝固する成分の割合を増やしたり、凝固を遅らせる成分の割合を減らしたり、熱あたりをよくすることが固いプリンへ近づく方法のようです。
※ の熱による調整は、一概には言えなさそうというか…加熱方法や「ス」の問題、どこに熱をあてるか等、話が複雑になりそうなので今回は断念。
お手軽な、
- 全卵を使う(卵白を増やす)
- 牛乳を減らす
の方法で固くしていきたいと思います。加熱はオーブンです。
ちなみにコンビニなどの固めプリンは、ゼラチンで固めたり(ゼリーみたいな固さ)、クリームチーズをベース(チーズケーキみたいな固さ)にしているタイプが多いですね。「どのタイプのプリンが好きか」で固くする方法も変わりそうです。
使う材料
・卵(全卵)
・牛乳
・砂糖(グラニュー糖)
(・あればバニラエッセンス)
家に常備しているこれらの材料で作ります。
卵はいろいろ考えなくていいように全卵を使います。
全卵のみにするとある程度固くなるのですが、そこから牛乳の比率を調整してさらに好みの配合を探ろうという試みです。
逆にコクがあってなめらかなプリンは黄身の比率が高く、生クリームなどが入っています。
牛乳は一般的な牛乳、砂糖はグラニュー糖を使います。
グラニュー糖は純度が高くクセが少ない砂糖で、洋菓子作りによく使用されていますね。今回は検証のためグラニュー糖にしましたが、ふだんはきび砂糖を使うことが多いです。
カラメルソース作りはすごく億劫なので、富澤商店で買ったタブレットに頼ります。(ノーマルのを買ってみたのですが、結構甘いのでビタータイプの方が良さそうだなと思っています)
配合の決め方
今回はこういう方法にします。
1、上の材料を使った「固めプリン」のレシピを集める
2、それぞれ卵1個あたりの牛乳、砂糖の量を計算
3、固さを左右する牛乳の量は、一番多いレシピを上限、一番少ないレシピを下限に10ml刻みで配合を変えていく
4、砂糖の量は調べたレシピの中で多数派の比率をベースに、牛乳の量によって増減させる
全卵のみで作るので、卵1個あたりの配合を決めておけば今後も作る量を調整しやすいのでは、と思いました。
ちなみにサイズ表記のない卵をひとつひとつ計量をしてみたら、1パックの中で54〜70gと重量に幅がありました。検証では、いわゆるMサイズ卵(重量58〜64g)を選んで使用しました。
配合パターン
「固めプリン」のレシピをネット検索し、配合が違う10レシピの配合比率を調べたところ、まさに黄金比のレシピから、牛乳と卵が1:1に近いレシピまで結構な幅がありました。
前述の方法でパターンを考えた結果、全卵1個(50〜60g)に対して牛乳60〜100mlの5段階で作ることにしました。
パターン | 牛乳 | グラニュー糖 | 全卵(5~60g) | その他 |
---|---|---|---|---|
1. 牛乳多め | 100ml | 25g | 1個 | |
2. 牛乳やや多め | 90ml | 21g | 1個 | |
3. 牛乳普通 | 80ml | 17g | 1個 | |
4. 牛乳やや少なめ | 70ml | 15g | 1個 | |
5. 牛乳少なめ | 60ml | 13g | 1個 | |
番外編1 | 60ml | 17g | 1個 | 生クリーム20ml |
番外編2 | 80ml | 10g | 1個 | 練乳30g |
多かったのが牛乳250ml:卵3個:砂糖50gくらいの配合だったので、
本記事では
牛乳80ml:卵1個:砂糖17g=『一般的な固めプリン』の配合
としたいと思います。
ちなみに番外編として『一般的な固めプリン』をベースに、
1、牛乳の1/4を生クリームに置き換えた配合
2、砂糖を減らしコンデンスミルク(練乳)を加えた配合
を試してみました。
使用する型
上でアルミの容器がいいと書きましたが数が足りなかったので、ガラスの容器を使いました。
熱伝導率はアルミに劣りますが、そのぶん熱がゆっくり伝わるので「ス」は入りにくいんじゃないかという予想。側面が見えるのも良いです。
iwakiの耐熱ガラスカップは、150mlサイズで満水容量は240mlあるので、牛乳MAXの配合でもぴったり入って良かったです。
牛乳が少ないものは100mlサイズ(満水容量150ml)で作りました。100mlサイズの方が市販のプリンのサイズと近いです。
作り方
卵は常温に戻しておき、牛乳を鍋かレンジで60度くらいにあたためます。
ポイント:牛乳はあたためすぎるとNG。成分が変わる。逆にあたためないと、固まるのに時間がかかったり、牛乳に溶け込んだ気体により「ス」が入る原因になる。
私はしなかったけど、この時分量の1/4の砂糖を入れると牛乳に膜がはるのを防げる。
ボウルに卵を割り、溶きほぐします。
ポ:卵が泡立つと「ス」の原因になる。泡立て器がボウルの底に沿うように動かすと空気が入りにくい。(多少塊が残っていても、砂糖を混ぜるとほぐれる)
グラニュー糖、あればバニラエッセンスを入れて混ぜます。
あたためた牛乳を少しずつ混ぜます。
容器の底にカラメルタブレットを入れます。1個につきタブレット1〜2つを使っています。
濾しながら容器に注ぎます。濾しきれなかった卵は捨てます。
ポ:表面に残った泡はつまようじやキッチンペーパーで取り除く。ライターの火やパストリーゼでも消えるらしい
アルミで蓋をして、オーブン対応の容器(これはホーローバット)に入れて、熱いお湯を注ぎます。天板にもうっすら注いでおきました。
ポ:お湯の温度と量は諸説あり。常温だと蒸気が出づらく、熱すぎるのも「ス」の原因になるようなので、50〜80度くらいでプリン液の温度と乖離しすぎないくらいがよさそう。
量はカップの1/4以上で、なるべく多めを意識。
ポ:蓋ありのレシピ(火や水分が直接入るのを防ぐ、均等に火を入れるため)と、なしのレシピ(蓋をすると温度があがりすぎて「ス」の原因になる)がある。今回はしてみた。
今回はオーブンのプリンモード(水蒸気+オーブン)のあとに、表面を見て140度で10分焼き足しました。
レシピで多かったのは、130〜140度で30〜40分か、150〜160度で20〜30分という感じでした。
ポ:焼き温度が低い、時間が短いと固まらない。逆に焼き温度が高い、時間が長いと「ス」が入る。プリン液の温度が下がっていたり、容器が大きい場合も時間がかかる。
蒸し上がり。粗熱をとって、冷蔵庫でしっかり冷やします。
型から外して完成です。
表面を押しつつ型から剥がして、底まで空気を通し、皿に乗せて何度か振るとズポッと落ちてきます。
食べ比べてみる
1. 牛乳多め(100ml)
全卵1個に対し、牛乳100ml、砂糖25gの配合です。
さすがプリンの黄金比、しっかり自立はするけどフルフル揺れるプリンらしい佇まいです。
トロトロとまではいかないけれど、なめらかで飲めそう。
「固めプリン」として出されたら、かなりギャップを感じるかなと思いました。
味は美味しかったけど、結構甘めに感じました。砂糖は-5gするか、カラメルを苦くしたいですね。コクはあっさり派の自分にはちょうどよかったです。
2. 牛乳やや多め(90ml)
全卵1個に対し、牛乳90ml、砂糖21gの配合です。
揺れ方はまだフルフルでした。でもしっかり固形感が増していて、飲めなさそう。
100mlは断面がくたっとしていたのですが、90mlはギリギリ直角を保っています。
「固めプリン」として出されたら、「固めっちゃ固めだな」と思いそうです。
味はこれも美味しかったけど、まだ甘かったです。カラメルがもっとビターだとよかったかも。
3. 牛乳普通(80ml)
全卵1個に対し、牛乳80ml、砂糖17g、「一般的な固めプリン」と仮定した配合です。
揺れ方がフルフルからユラユラに近くなりました。断面も角が立っていて、いきなり「固めプリン」っぽくなったように思います。
食べてみると口どけのいいマイルドな固さで万人に好かれそうなバランス。
この配合にしているレシピが多かったので、さすがだなぁと思いました。
味も良いバランスでした!美味しかったです。甘みもこれをベースに砂糖を増減すると良さそう。私はまだ減らすかなぁ。
4. 牛乳やや少なめ(70ml)
全卵1個に対し、牛乳70ml、砂糖15gの配合です。
しっかり「固めプリン」だし、味のバランスも美味しかったです。
率直に言うと、牛乳80mlとの違いがわかりませんでした。
ら卵のサイズの関係で比率の変化が少なかったのかもしれません。
5. 牛乳少なめ(60ml)
全卵1個に対し、牛乳60ml、砂糖13gの配合です。
揺らした時の安定感に期待が膨らみます。ズンズン…みたいな感じ。
口に入れてもしっかり固形で、噛めます。胸を張って「固めプリン」だと言えるプリンになりました。
ただ、想定よりもなめらかさが保たれていて、まだいけるぞ!と思ってしまいました。人気のレシピはやっぱりバランスが取られているんですね。
味は、くどすぎない程度にコクや甘みがあり、とても美味しかったです。
番外編1 生クリーム
全卵1個に対し、牛乳60ml、砂糖17g、生クリーム20mlの配合です。
アルミの型を使いました。
「3. 牛乳普通」レシピから、牛乳の1/4を生クリームに置き換えました。
型の大きさが違うので比較しづらいですが、トロンと重力に負けそうな雰囲気。
食べてみると、食感とコクが明らかに違う。まったり濃厚で、やっぱりこれはこれで美味しいです!なめらかプリンがくどく感じて苦手だったのですが、自作なら油分を加減できて良いですね。
番外編2 練乳
全卵1個に対し、牛乳80ml、砂糖10g、練乳30mlの配合です。練乳を持て余していたので試してみました。
これもアルミの型です。
練乳は砂糖と牛乳を煮詰めたもの。固さは保ったまま、コクが増して口当たりがモチっとしています!濃厚だけど生クリームのものより素朴です。
少しコストはあがりますが、砂糖と置き換える感じで配合すると良さそうです。
家族にはこの練乳プリンが好評でした。
結論
「固めプリン」として、ベースになりそうな配合は「全卵1個に対し、牛乳80ml、砂糖17g」でした。ここから自分好みに調整していくと良さそうです。
個人的には牛乳60mlのものよりさらに固くしたいくらいですが、味は今の感じが好きなので、配合よりも作り方を変えるべきなのかも。
追加で検証するなら、さらに牛乳を減らしたバージョンに加えて、
- 型をアルミにする
- アルミ蓋をしない
- 最初からオーブン160度で焼く
など、火のはいり方による比較をしてみたいと思いました。
おわりに
プリンはオーブンと耐熱容器さえあれば本当に簡単にできてしまうので、おうちおやつにぴったりですよね。
風味豊かなお店のプリンや、気軽なコンビニプリンも好きですが、家にある材料で自分好みのプリンを追求するのはワクワクします。
引き続き、固めプリンライフ、楽しんでいきたいと思います…!